
ぜんぶ吸収して、CREYLEは進む。
鈴木拓生
株式会社リクルート コンシューマビジネス推進室 CREYLE−PJ
石橋利真
株式会社リクルート コンシューマビジネス推進室 CREYLE−PJ
いろいろ生まれてくる場をつくりたくて、CREYLEを立ち上げた。

CREYLE第1期:ホームページやSNSを
簡単に立ち上げることができるサービス
【鈴木】
CREYLE(クレイル)の最初の立ち上げは、2009年7月です。それ以前から僕は、「ドコイク?」の回に登場した川崎さんと一緒に、勉強会など外部のエンジニアやプランナーとリレーションを築いていく企画に携わっていました。で、築いたリレーションをどう活かしていこうかと考えた時に「何か思いついた人が、簡単にそのサービスをWeb上に立ち上げて、スタートできる仕組みがあったら面白いんじゃないか?」と。マッシュアップアワードなど、当時からエンジニア向けには様々なアワードがありましたが、プランナーが自分のアイディアを世に問える場は少なかった気がして。そうして生まれたのがCREYLEです。あらかじめ用意してあるパーツを積み木のように組み合わせることで、ホームページやSNSを簡単に立ち上げることができるサービスで、データや個人情報はリクルートが安全な方法で管理するので、これまで「個人で立ち上げることは難しい」と言われてきたSNSも安心して運営できるというもの。2008年の大晦日近くなってから、僕とエンジニアさんで作り始めた。僕は新しい企画を始めるとき、パワポで企画書練るよりまずモックを作るんです。画像が粗くても、スパゲティコードでも何でもいいからとにかく見えて、動く状態を作ってプレゼンする。僕がインターフェースを作って、エンジニアさんに裏側を書いてもらって。Webは1/1スケールで検証できてしまうところが面白いと思うので、このやり方、プランナーの人たちにぜひおすすめしたいですね。HTMLとJavascriptの本を買ってきて、2〜3ヶ月触ればできると思うから。
そのモックで承認とったのが3月くらい。もう数名のエンジニアさんに加わってもらって本開発を行い、7月にサービスインしました。これがCREYLEの第1期です。で、立ち上げてみたら思いも寄らぬところからニーズが押し寄せた。そこから第2期がはじまります。
何か始めたい人、実はたくさんいた。アジャイル開発で道を拓いた。
【石橋】
CREYLEが立ち上がって、いちばん反響があったのが実は社内だったんですよ(笑)。さまざまな事業部に、Webを使った新しいサービスのアイディアを持っているメンバーがいた。CREYLEの仕組みを使うことで、それを形にできないかと。そうして生まれたのが、お店のホームページを作れてそれがホットペッパーのエリア検索に自動的に乗ってくる「お店のミカタ」や、花嫁花婿と結婚式の出席者の専用SNSを作れる「パチパチゼクシイ」。数千万円規模になる案件も、常にMTLらしくアジャイル開発の手法で手がけてきました。アジャイルの定義はまだ確立されてない部分もありますが、僕らとしては1案件2、3人のエンジニアで完結することを基本にしています。テストコードを書いて、道具箱(フレームワーク)作って...と、MTLでここまで貯めてきた知見を使って大規模開発の聖域を変えよう、というのが第2期の醍醐味でしたね。実際、こうした案件を成功させた実績ができたんで、そこを足がかりにアジャイルで取り組む案件が社内でも増えつつあります。
開発手法はまず自分たちで身につけよう、というのがMTLのスタンスなので、これまでもiPhoneが出ればiPhoneの知見を蓄え、事業部のメンバーとコラボしてアプリを作るというようなことはやってきてはいた。完成図がはっきり見えていなくても、一緒に動いているうちに形になってくる、仕様書も期日もなく、いい意味のゆるさの中で新しい可能性を探れるのがエンジニアが社内にいるメリットだと思いますね。例えば、こうしてできた「FOOMOOホットペッパーアプリ」では取材もたくさん受けましたし、アップルの広告にも取り上げられたりして、僕らエンジニアにとっても嬉しい仕事でした。何か作ってみたい人がいて、じゃあどうやったら作れるかを考えるのがエンジニアとしては面白いから「作ってみたい」を持った人のそばで仕事するのは楽しいですよね。
こうして、toCで始まったCREYLEがtoBに拡大したのが第2期です。インターフェースはそれほど変わっていませんが、MTLがAPIで培ってきた知見なども投入して、裏側はこの時期にかなり増強しています。そして時代に応える形で、2010年末頃から第3期が動き始めます。
Webと人の接点が変われば、CREYLEも変化する。

CREYLE第3期:
ソーシャルマーケティングプラットフォーム
【鈴木】
短くいうと、どこに広告を置けばみんなに見てもらえるか。そこがめまぐるしく変化しているわけです。数年前ならポータルサイトなんかにどかんと出しておけばよかったのかもしれない。でもこれだけみんなのWebとの接点が多様化してくると、発信する側の手法も多様化せざるを得ない。スマホの普及で、メール以外の手段での情報交換がますます活発になっている一方、中には出社してすぐミクシィにアクセスして、一日中情報収集をする人もいるという状況ですからね。ひとつ顕著になってきたのが、企業のホームページに来てもらってそこで情報提供するのではなく、フェイスブックやツイッター上で情報発信してコミュニケーションをとっていくやり方です。CREYLEにも、フェイスブックなどのSNS上に発信拠点を作れる機能が求められるようになった。これが第3期。2011年8月1日にサービスインしました。まだ形が見えているわけではありませんが、Web と人との関わりが変化し続けるかぎり、第4期、第5期の進化はこれからもあるでしょうね。何か生み出したい人がいて、求められるものがあって、CREYLEは進んでいく。新しいサービスを生みたい人が障壁に阻まれることなく、できるだけ早く、身軽に手軽に自分のアイディアを試すことができるような。風穴をあけるというか、風通しをよくする存在でCREYLEはありたいと思っています。
